なんで?

どうして圭太さんを怒らせるような言葉を、紅夜さんは言うの?

「圭太っ!
やばいって…」

朱音ちゃんを口説こうとしていた男子が、走ってくると圭太さんの腕を引っ張った

「なんだよ…どうしたんだよ」

「その人、紅夜さんっすよ!
紫桜の紅夜さん…喧嘩はまずいって」

圭太さんの顔色が変わった

怯えた目になると、紅夜さんの靴に飛ばした唾を袖口で拭った

「す…すみませんっ!」

え?

どういうこと?

なんで?

私は圭太さんと紅夜さんの顔を交互に見た

状況が…飲み込めないんだけど?

何が起きているの?

紅夜さんって高校生にも有名?

「お前も謝れよ!」

私は圭太さんに頭を叩かれた

いた…

なんで?

どうして?

「謝るのはお前だけでいんだよ、くそガキ」

紅夜さんも、圭太さんの頭を叩いた

「あの……?」

私は紅夜さんの顔を見た