「一つ質問!
紅夜兄と愛実ちゃんって恋人同士じゃないの?」

寮の部屋で宿題をしていると、朱音ちゃんが口を開いた

二人で数学の教科書を開いて、問題を解いていた

「え? 違うよ」

「旅行したじゃん」

「生理になっちゃったし」

「いやいや、それは関係ないって…それに何だかんだで日曜の門限ギリギリまで紅夜兄と一緒だったんでしょ?」

「ほとんど寝てただけだよ」

「ね……」

朱音ちゃんの顔が真っ赤になった

「ちがっ…貧血で! 横になってただけだってば」

「紅夜兄が看病だなんて、ありえなーい」

朱音ちゃんが大きな声で叫んだ

「それにそういう話とかしてないし
日曜に別れて以来、なんの音沙汰もないよ」

「だって紅夜兄、携帯壊したじゃん!
自ら破壊したんだから、愛実ちゃんから連絡しなくちゃ」

「え?」

「白い携帯の方に、紅夜兄が愛実ちゃんのアドレスを入れてた?」

あれ?

そう言われてみれば…私のほうにデータの送信をしてたけど

紅夜さんは自分の携帯のほうに入れてなかったみたい

じゃあ、私から連絡しないとずっと紅夜さんから来ないってこと?

「紅夜兄、待ってるんじゃなーい?」

「まさか…」

他の女性と楽しんでるよ、きっと…

「ほらっ! メールしなよぉ」

「え?」

「電話でもいいよ?
私が詳しく隣で聞いててあげるよ?」

朱音ちゃんがニヤニヤと笑った