紅夜さんはパーキングエリアに入ると、車を止めた

「ちょっと…待ってろ」

紅夜さんは車に私を置いて、すたすたと歩いて行った

トイレかな?

それともコーヒーでも買って、飲みながら帰るとか?

会話がないから、眠くなったのかも

私は後部座席にある鞄に手を伸ばして、手探りで薬を探した

内ポケットに、薬を入れてある巾着の感触があった

私は紐を指に絡ませると、引っ張った

良かった!

薬、持ってたよ

ほっと一安心すると、お腹の痛みも少し和らいだ感じがした

薬をお守りのように握りしめていると、携帯が鳴った

『タイトル:メールありがとー

紅夜兄とはどう? いい感じ?
すっごい気になるよ
付き合うとか、そういう話はしたの?
あー、話を聞きたいよー』

朱音ちゃんからだった

私は、ふっと顔の筋肉が緩んだ

心が温かくなる

早く帰って朱音ちゃんに会いたいな