風呂から出ると旅館の浴衣を着た

私はロビーに行くとすでに紅夜さんは椅子に座って待っていた

携帯を握って、メールを打っている

私は紅夜さんの前に座ると、メールが打ち終わるのを待っていた

5分くらい待ったかな

パタンと紅夜さんが携帯を閉じて顔をあげた

「部屋に戻る?」

「うん」

私たちは立ち上がると、部屋に戻ろうと歩き始めた

手をつなぐわけでもなく、ただ並んで廊下を歩く

歩き始めて1分で、紅夜さんの携帯が鳴る

メールだったみたいで、内容を確認した紅夜さんはすぐに返事を返していた

部屋に戻るまで会話はなかった

部屋に入ると、布団が二組並んで敷いてあった

布団と布団の間は30センチくらいの距離があった

私は布団を避けて、鞄のところに行くとお風呂セットしまった

紅夜さんはドアに近い布団にどかっと座ると、携帯をいじっていた

紅夜さんの携帯を次から次へとメールを受信し、そして送信している

休む暇もなく、携帯のボタンを押している

私は鞄の中を整理してから、奥の布団に足を滑らした

『タイトル:旅館に着いたよ

お風呂、気持ち良かったよー
明日にはお土産を買って帰るからね!』

それだけ打つと、朱音ちゃんに送信した