『…な? そういうことなら、電話切るぞ』

紅夜さんは私の声が聞こえたのか

すぐに切断してしまった

電子音が聞こえるなり、朱音ちゃんが納得いかない顔をした

「愛実ちゃん、本当にいいの?」

「うん」

「何時間も待たせるようなヤツなんだよ?」

「うん
他の女性とホテルに行ったり・・・ね」

「え? 聞こえてたの?」

朱音ちゃんの眉尻が下がった

申し訳なさそうな顔をする

「うん、聞こえた
けど平気だから、紅夜さんの性格はなんとなく理解しているつもりだよ」

「ごめん…」

どうして朱音ちゃんが謝るの?

知ってて、好きになったのは私だよ?

「朱音ちゃんが謝らないで」

私は平気だから

本当に平気だから