『愛実、紹介するわね!
私のボーイフレンドの紅夜よ』


2年前の姉の声が蘇る
同時に紅夜さんの腕に絡みついてる姉の表情も脳裏に浮かんで、消えていった

初めて紅夜さんに出会ったのは、2年前

姉の彼氏だと知って、恋心に気づいたのは紅夜さんを知ってすぐ後のことだった

週末に寮から家に帰ると、姉と紅夜さんは楽しそうに会話をしていた

楽しそうに笑う紅夜さんを見ているのが好きだった

私は中学から全寮制のエスカレータ式の学校に通学していた

だから家には週末しか帰らない

その毎週末、紅夜さんは姉と過ごしていた

『愛実ちゃん、俺…年下と真面目な女って嫌いなんだよね
同い年か年上…んで軽~く遊べる女が好きなんだ
だからこの携帯のアドレスは教えられないよ
重い想いは欲しくない』

意を決して告白したのは1年前

あっさりと振られた

それ以来、私は紅夜さんを見ていない