『タイトル:ごめんなさい
今週末は、家に帰らないと…親が気にするから』

ぶつぶつと独り言を言っている朱音ちゃんの隣で、私は紅夜さんにメールを送った

『タイトル:わかったよ
家まで送るよ
俺が愛実に会いたいんだ、いいだろ?』

『タイトル:3時に終わるから
4時に駅前で待ち合わせってどう?』

『タイトル:了解
駅前についたらメールする』

ぱたんと携帯を閉じると、朱音ちゃんがニタニタと緩んだ笑みを私に向けていた

「お兄ちゃん、何だって?」

「家まで送るって」

「…かあ…恋する男は面倒くさーい」

朱音ちゃんが、明るい声で叫んだ

「愛実ちゃん、本当にありがとう
お兄ちゃんが、綾さんから離れられて良かったよ!」

朱音ちゃんが、にっこりと笑って席を立つと私を抱きしめた

「え? でも…私でいいのかな?」

「愛実ちゃんだから、いいんじゃん
そこらへんの変な女より、全然いいよ!」

朱音ちゃんが私の背中をポンポンと叩いてくれる