「だって…だって、そういうことじゃないの?
付き合っちゃうのかな?」

付き合わないよ

身体の関係だけで、それ以上のつながりは求めてこないと思うよ

「…紅夜兄って手が早すぎるんだけどぉ」

朱音ちゃんが、ふぅっと息を吐きだした

火照った頬を手で、朱音ちゃんが仰ぐ

「ああ…どうしよう」

朱音ちゃんが困った顔をした

「あのね、愛実ちゃん…その、言いにくいんだけど
紅夜兄ってすっごい女に持てて、遊びの女とかいるような男だけど平気?
今更、言うのって遅いかもしれないけどぉ……」

申し訳なさそうに朱音ちゃんが、口を開いた

心配して…くれたのかな?


平気だよ

ちゃんと知ってるから


私は朱音ちゃんに微笑んだ



「あ…えっと、愛実ちゃんを傷付けるかもしれない男だけど…ってあれ?
おかしいな…そうじゃなくて、愛実ちゃんの恋は応援してるんだよ
でも紅夜兄って格好良いだけで、性格はあんま良くない…かも?」