大丈夫だから

私は平気だよ

だって最初は、紅夜さんの遊びの女で構わないって思ってたじゃない

遊びでいいから、私を『女』として見てほしいってそれだけっだったじゃない

ね、そうでしょ?

作り笑顔で、壁を作られるより、遊ばれるほうがいいって思ってたはず



なのに、どうしてだろう

おかしいなあ

いつから、私の心は欲張りになったのかな?

紅夜さんの『彼女』になって、それだけで嬉しいことなのに

満足するべきなのに

もっと、もっと……

その先を求めてる

紅夜さんに要求している私がいる

早く綾さんを忘れてほしい

私だけを見てほしい

私だけを求めて欲しい

欲張り…だよね?

望みすぎだよね?

最初は、『女』として遊びの対象に入りたいだけだったのに

私は携帯を握ったまま、手を下に落とした

床にこつんと手の甲をあたる

「今頃、紅夜さん…何、してるのかな?」

話し合ってるのかな?

それとも……

見たくないビジョンが私の脳裏に浮かんで消えていく

綾さんと紅夜さんが、ベッドの中にいるのを…想像してしまう

考えたくない

だって…紅夜さんは…



紅夜さんは?

ナニ?