部屋で待ってろ…か

ここでじっと紅夜さんが帰ってくるのを待ってればいいの?

私、帰りを待っていていいんだ

紅夜さんが帰ってくる場所に、私が居ていいんだね

…良かった

ほっと息をつく

膝を折って、お腹の上にメモを置く

テーブルに置いてある携帯に手をのばすと、液晶を眺めた

あ…メールがきてる

もう11時過ぎてるんだ

紅夜さんと再び眠りについたのが、3時過ぎだったから、8時間も私は寝てたんだ

紅夜さんは何時に目が覚めたんだろう?

何時に家を出たのかな?

もう、話をしているのかな?

どんな話をしているの?

私は携帯を開くと、メールを見た

『タイトル:どうだった?

昨日はお兄ちゃんとどうだったのぉ?
生理も終わってるし、一晩ずっと一緒なんだし……経験しちゃった?』

朱音ちゃんからのメールだった

私は思わず「ぷっ」と噴き出してしまう

返信のボタンを押すと、朱音ちゃんにメールを返した

『タイトル:残念でしたっ!

何もなかったよ
未経験です(⌒▽⌒)アハハ!
話しに夢中になってたら寝落ちしてました』

私は携帯を閉じた

言えないよ

朱音ちゃんには、絶対に、言えない

紅夜さんの好きな人が、今の朱音ちゃんのお母さんだって

それを忘れるために、私と付き合ってるなんて、言ったら、きっと悲しい顔をしてしまう