「今、何時だか、わかる?」

紅夜さんがレモンティーをいれながら、口を開いた

「ちょっと待ってください」

私はテーブルの上に置きっぱなしになっている自分の携帯を見た

「夜中の2時です」

「そうか
俺、そんなに寝てたんだ」

「でも4時間ですよ?」

紅夜さんは冷蔵庫にレモンティをしまうと、「ふふん」と鼻を鳴らした

「俺、立て続けに何時間も寝れないんだよね」

え?

それ、初めて聞くんだけど

「大抵、1~2時間に1回の割合で目が覚めて…本を読んだり、ホットミルク飲んだりして30分くらいうだうだして…また寝るんだ
んで、また目が覚めて…って繰り返して、合わせて4~6時間の睡眠で充分なんだ」

マグカップを二つ手にして、紅夜さんが近づいてきた

私はベッドに座って、マグカップを受け取ると、紅夜さんも隣に腰をおろした

「え? そうなんですか?
私が居た時も、夜中に起きてたんですか?」

もしかして、寝顔とか見られてるのかな?

紅夜さんは首を横に振った

「いや…どうしてだろうな
愛実と寝ると、途中で目が覚めることがないんだ」

紅夜さんが、恥ずかしそうに、はにかんだ