「そういう話やめようぜ? オレ本当未来が見えないし。考えたくないんだ」

彼の声が機嫌悪くなってしまった。
 
 私って本当バカ
 こういうのをKYって言うんだろうな

「ごめん。村上君て携帯持たないの? メールしたいなって思って……」

彼は今も自宅から電話していた。

「携帯ね~。バイトでもすっかなぁ。新聞配達って中学生でもできるらしいんだよね」

「そうなんだ! でも、大変じゃん? 無理はしないでね。うちは大丈夫だから」

元気を装って言ったけど、内心は彼から電話をしてくれるのを一方的に待つなんて考えられなかった。

受話器越しに聞える彼のお母さんの怒鳴り声が気になった……

「ごめんね。お母さん怒ってるんじゃない? そろそろ切るよ」

「わりー。またかけるから おやすみ」

電話を切って、私はため息をついた。