「お疲れ様でした。解散」

先生の言葉で、生徒達は皆荷物を手に方々へ散った。

私は彼の姿を探していた。

目が合うと手招きしている。

まだ人がいる中で彼と会うことに躊躇する。
私は両手を合わせてごめんの合図をして、手をふった。

 きっと、送ってくれようとしたのかな

その気持ちだけをもらって

私は友達とその場を離れた。


新たな一歩をくれた修学旅行。

これからの二人に待っているのは受験という壁。

だけど、この時はそんなこと頭にはなかった……。