誰かが階段を登ってくる気配を感じ、私たちは別れた。

「学校始まったら、また一緒に帰ろうな?」

「うん。ありがとう」

ステキな思い出の修学旅行。

全員集会では不良少年達が他校の生徒と喧嘩をしたらしく、先生達が怒鳴っていた……きっと、生徒それぞれが、それぞれの思い出を作っていたのだろう。


修学旅行、最終日。

思い出のつまったホテルを去り、奈良へと場所を移した。

奈良の大仏を見て、鹿にせんべいをあげる。

「フンを踏まないようにしても無駄ですよ~今皆さんが踏んでいるこの土は何十年も前の鹿のフンでできているんですから~すでに踏んでま~す」

ガイドさんの言葉に笑い。最後の観光を終えた。

ヘトヘトになって学校についた頃には、みんなぐったり口数も少なかった。