《先生と僕》〜タイムトラベルスイッチ〜

「あっ!奏人、帰り遅くなってお家の人心配してるんじゃない?電話する?私の部屋に子機あるよ。」





電話の子機…。





この時代は、まだあんまり中学生には携帯電話が普及していなかったのかな。



部屋のどこにもケータイないし。





「奏人?電話したら?」





電話か……。





10年後の母さんには、電話しておきたいけど…。


未来には繋がらないだろうな……。




電話番号は変わりないけど、今家にかけても5歳の奏人はもう家にいるし。






「あ………亜由香、電話いいよ。えっと……。僕、ワケあって、家に帰れないんだ。」







「えっ?そうなの?……家出でもした?」







「う、うん。まぁそんなとこ。」






「……………。」






しばらく沈黙が続く……。