僕は、なんだか急に切なくなった。









胸の辺りと喉の辺りが、キューッと締め付けられるような………








苦しさにも似た、とてつもない切なさが、一気に襲ってきた………。











「亜由香っっ!!」












僕は、車の窓へと駆け寄った。









ウィ───ン……。











おじさんが、亜由香の席の、車の窓を開けてくれた。










「奏人っっ!!」








亜由香も身を乗り出した。










「じゃあ……奏人君、元気でな。亜由香に手紙書いてやってくれな。」







「奏人君……色々、ありがとうね。また…おばさんの手料理、食べに来てね。」







「はい。…ありがとうございます。」












「奏人……。元気でねっ…。」














亜由香の茶色い大きな瞳に、大粒の涙が溢れていた。