「もう…勝手に家に帰っちゃったのかと思った……。」









「あっ!ごめん……。勝手に一人で出かけたりして……。


あの…これを、亜由香に渡そうと思って…。」







亜由香は涙を拭いながら


「なに…?これ………苺のショートケーキ!!」





「一つしかなくて…ごめんね。



亜由香、今日、誕生日でしょ?」








「うん、そうだよ!どうしてわかったの!? 」







「僕と亜由香が初めて逢った日、亜由香の部屋で手当てしてもらったでしょ?


その時、机の上にあった卓上カレンダーが目に入ったんだ。



カレンダーの7月4日の所に…¨My Birthday¨と書いてあったから…。」








「奏人、それを覚えていてくれたの?」









「うん。何かプレゼントしたかったけど、僕、自分のお金持ってないから…。



こんな小さなショートケーキがプレゼントになっちゃった。



亜由香に借りたお金なのに…勝手にごめんね。」