SV(=スペシャル・ヴォイス)な王子様!



あたしはカタカタと震える身体をガシッっと両手で抑え、

ヤツと目が合わないように、ギュッっと目を瞑った。



「おい」




「ちかづかないで!!」




「お前……」



ヤツ(←いつの間にか呼び方定着)は おそらく親指で

「ひ!」


あたしの顎を持ち上げた。



なになになに!!?





「目、あけろよ」




「いや!」



「何もしない。大丈夫。俺、怖くないから」