その夜も三人は目的もなく集まり暗い道をブラブラと歩いていた。

時刻は十時を少し回った頃。

三人は駅の近くのコンビニの前で腰を下ろした。

コンビニには会社勤めのサラリーマンやOLの波もひと段落して客はまばらだった。

電車が到着するたびに残業で遅くなった人々がさざ波のように数人が立ち寄る程度。

今から夕食なのか弁当を買う客、寝酒にするのか缶ビールを買う客、明日の朝食用のパンを買う客。

目的は様々だが彼らは皆一様にせわしなく買い物を済ませて店を後にする。

月曜日。

週の始めから夜の十時にのんびりと買い物をしている余裕は社会人は持ち合わせていない。

これから予想される金曜日までの仕事という戦いに身を投じるにあたり、一刻でも早く休息したいのだ。

本当に生きていくのは大変だ。

もちろん下らない王国の三人には無縁の世界だ。