ツトムが10分ほど力任せに暴れた頃、頭の上の方でカチャリという鍵が開く音がした。

ツトムはピタリと動きを止めて音の方を見ようとしたが首が回らなかった。

しかし鍵の音を聞いてツトムは気がついた。

この病室に感じる違和感を。

この部屋には窓がなかった。

その閉鎖的な雰囲気にツトムは違和感を感じていた。

病室、しかも個室となれば窓の一つもありそうなものだ。

少なくともツトムがテレビなどで知る病室には窓があった。

その四角の部屋には窓はなく明かりは白い蛍光灯から放たれる冷たい光だけだった。

改めてツトムはゾッとした。