ツトムがゆっくりと近づき女の顔がハッキリと見えるくらいの距離に来た時に空気が変わった。

それに気がついたのは女を客観的に見ていたツトムだけだった。

女の後ろから押さえつけているジュンジも、女に密着しているマサユキも気がついていない様子だ。

女の目に生気が戻った。

………いや、生気というよりも狂気に近い光が宿っていた。

それまでは焦点が合わない瞳を暗い空に向けていた女は、ゆっくりと女の体をまさぐるのに夢中なマサユキを見た。