家に帰ったのは

夜の8時。

「おかえり~」

台所からお母さんの声がする。

「ただいまッ」

ちょっと、顔を出しながら言った。

「遅かったわね~もう、ご飯食べちゃったよ?」

食器を片づけながら言うお母さん。

「あーごめん、もう食べてきた」

「あッ、そうなの。助かった~」

「えッ?」

「さっき、和也が帰ってきたのよ」

「に、兄ちゃん!?」

兄ちゃんは

一応、1人暮らしをしている。

まあ、よく帰ってきては

ご飯食べて帰るんだけど。

「そーそー夏休みでしょー?大学も」

だから、流夏と旅行の計画するって。というのを付け足した。

あ~そっか。と頷いて

みんながいる

リビングに足を運んだ。

「あッちょっと待って」

お母さんに呼ばれて振り返ると

これ。と言ってビール缶を渡された。

お父さんに…か。