2人で会う事なんかなかった。てゆうか喋らなかった。
 時々メールをするぐらい。
 こんなの付き合ってるといわない。
 でもあたしはそれだけでもじゅうぶんだったんだ・・
 寂しいとか悲しいとか思わない。まだ子供だから、子供は子供なりに異性との付き合いってこういうものなんだろうと一人で納得していただけだった。

 学校が終り麗菜と帰宅。
「5組の先生って新人なんでしょ?」
「うん!」
「いいな~あたしんとこの先生なんかオヤジだよ」
「あはは、頑張ってね(笑)」
「え!?何を!?」
「色々と(笑)」
「え~?(笑)」
「冗談!楽しくなりそうだね」
「うん!じゃ、ばいばい!」
「ばいば~い!」
 麗菜といるとすごく楽しい。
  
 家に帰ると、重いボストンバックを投げ捨て、制服を脱いで携帯を見る。
 昌からメール・・・・

「話したい事あるから・・今からメールできる?」
 なんだろ・・・
「俺らさぁ付き合ってんの?」
 ・・はぁ?
「付き合ってるんじゃないの?」
 キツめに送った。
「そうだけど、もう俺ら・・・」
 やっぱり・・ね。
 こんなの付き合ってるっていわないよね。
「別れる?」
 あたしは先にきりだした。
「おう」
 ・・・・終わった。
 終わったんだあたし達。

 これで良かったのかな!
 明日別れた事を麗菜に言わなくちゃ!
 
 ・・この日からあたしは“恋”について分からなくなっていったんだ。
 ねぇ“恋”ってなんなの?
 『好きな人』って何でできるの?何で好きになっちゃうの?
 あたしにはまだ早いのかな。
 
 あたしの部屋にはマンガがある。恋愛系のものもある。
 ちょっと興味があって買い始めた恋愛系のマンガ。
 苦しい 会いたい 寂しい 
 主人公の女の子はこう言っているけど・・
 会いたいなら会えばいいじゃん
 苦しくて寂しいなら別れたらいいじゃん
 なんでこんな想いしながらでも人を好きでいられるの?
 あたしにはそんなの無理だよ。