ほんの10分くらいで学校に着いた。


授業中の学校の廊下は嫌に静かで、
廊下を通る度に他のクラスの視線が突き刺さる。



「何かあったら言え」



それだけ言うと先に教室に入った瑛斗に続き、中に足を進める。




ざわつく教室。


気にしていない瑛斗。


落ち着かないアタシ。


嬉しそうな顔の山ちゃん。


手をブンブン振ってる龍。




「瑛ちゃん、美愛、おーはーよー」



「おー。」




「もうちょっと早く来いな。橘、酒井」



「すんません」


いつもと変わらずの瑛斗に対して、ぎこちない笑顔でしか返すことができないアタシ。