「ちょっとでも優しいと思ったことを後悔してます。」




橘くんを見下ろしながら真面目に言った。



「どうぞ、ご勝手に。」


堪らなくムカつく、ムカつく、ムカつく。
デコピンでもしてやろうと、しゃがみ込んだ時………





― キーンコーンカーンコーン




「うわっ……」


橘くんが目を開けたもんだからびっくりした。



「何してんだよ?お前こそ変態だろーが」



「なっ……違うしっ!!」




「はいはい。で、お前帰んだろ?」



片肘で体を支えて少し起き上がった橘くんは、とてもカッコ良くて。