声で誰か判断するまでに、しばらく時間がかかった。 「30分後に屋上。」 そう言って、すぐに切った相手は…… 橘 瑛斗 急いで制服を来て、化粧をして学校に向かった。 今は授業中で、誰もいない校舎の階段を少しドキドキしながら上る。 バンッ 勢い良くドアを開けてみたけど、そこには誰の姿もなかった。 「……いないじゃん……」 無性に泣きたくなった。 と、言うよりも既に涙は頬を伝っていた。