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放課後




「美愛、がんばれよー。」




「うん!!」



ブンブンと手を振る龍に、同じようにブンブンと振り返した。




誰もいなくなった教室。
オレンジ色に染まりかかる教室。

窓の外は部活をしている生徒の姿。
足早に帰宅する生徒の姿。




自分の席に座って、瑛斗を待つ。

教室の時計の長針が進むにつれて、不安が募る。



― ガラッ



教室のドアが開いた音がして、勢い良く振り返った。





「……ひ、ひーちゃん」



あれ以来、会うことすらなかったひーちゃんが立っていた。




「久しぶりだな」