屋上に来た目的を忘れかけていたが、ハッと思い出した。 「ちょ、ちょっと!!」 足を止めて、なに?と首を傾げる橘くん。 「ムカつくために来たんじゃなくて……」 「ん?」 イライラする気持ちを抑えるために一度、深呼吸をした。 「遠足……クラス遠足あるから橘くんも来てよ。」 「……ムカつく奴を誘うのかよ?お前、変わった奴だな」 空に視線を移し、笑った橘くんはポケットに手を入れた。