何も反応しない瑛斗に不思議そうな顔をする龍。 満足げな顔のクラスの女子。 顔色1つ変えず、窓の外を見つめる瑛斗。 そして、泣きそうなアタシ。 授業中に携帯が鳴って、画面には龍の名前が表示されていた。 ― 何かあったのか? いつもはお茶目なくせに、こういう時だけは男らしい龍。 ごめんね。 今は、まだ話せない。 だって、すぐ泣いちゃうんだ。 心配してくれる龍にアタシは最悪な返事をした。 ― 龍、優しくしないで。