パチパチパチパチ!
「お誕生日おめでとう」
 私が蝋燭を吹き消すと、女は拍手をして、再び私におめでとうを言った。そして、まるで本物のケーキみたく、雪で作られたバースディ・ケーキを等分にカットすると、携帯していた紙製の皿の上に置く。
 私は、等分にカットされた雪のバースディ・ケーキをスプーンですくって口に運んでみる。
 勿論、雪で作ったバースディ・ケーキなので、雪のシャリシャリとした触感しかしない。けれど…。
「今日のケーキが、神楽さんが作ったケーキの中で一番美味しいケーキだわね!」
 私がそう言うと、神楽さんも父も声を上げて笑った。それにつられて、私もおかしくもないのに笑った。