「どうしようもない愛」


声を聞くだけで、十分だと思ってた。
なのに、いつの間にか欲張りになってた心。
涙ばかりをつくりだしいく。



愛がないのも。
夢でしかないのも。
初めから、分かっていたのに。




簡単にあきらめがつくほど、私は大人になりきれない。
声が聞こえるだけで、胸が痛くなって。
食い入るように見つめる先は、笑顔のあなたのテレビ画面。
どんなに恋したって、愛したって、意味がないことくらい、分かってるよ。
でも、どうしようもないくらいの胸の痛みは、私一人じゃもう解消できないの。
愛が欲しいの、どうしようもなく。
今は、あなた以外なんて、考えられないの。
こんなに好きで、好きで。
涙が勝手にこぼれてくるよ。




声が聞こえた気がした。
そんな夢ばかり見ている。
あなたが私の名前を呼ぶ。
笑顔で、抱きしめてくれる。
甘い、甘い時間。
幸せすぎる。

ドロドロに溶けた飴玉みたいに、むせかえるような甘さに酔っていたい。
響く音。
現実に戻す雨。
光った雷が壊す心。
意味なんて、ないね。
はじめから、わかっていたのに。





夢に酔いたい。
愛されたい。
わがまま膨らむ胸の痛みで、明日が見えない。