「Cry??」
泣いちゃうかもなんて、くだらない言葉。
あなたはまるで切り札のように、私に見せて、笑うんだ。
そのたびに私は、機嫌を取るかのように、つくろって、笑って。
それですべてが解決したかのように、繋がってもいないのに、繋がっているみたいに。
切り札なんて、意味をなすのは、この関係が確かなものである事が前提なのに。
なんにもなくて、本当に、なんにもないのに。
その言葉に怯えたふりをして、イイ子のように笑って見せる。
そんな自分にも、毎回懲りもせずに同じセリフを言うあなたにも、飽きてしまった。
だから、そう。
あなたも、同じ気持ちだと単純に、思っていたんだけど。
驚いたような顔に、驚いた。
繋がっていると、思っていたなんて、信じられなかった。
だって、そんなこと、一度だって…。
泣いちゃうかもって言いながら、泣いてる顔に、なんか心が動いちゃって。
抱きしめようかなんて、思っちゃったけど。
どうせ、また、同じ繰り返しにしかないんだろうからって、やめてみた。
傷をつけてばかりのような言葉も。
駆け引きのような言葉も。
すべて甘えだったというのかな??
そんなものばかりを、信じて愛し続けるなんて、私には無理よ。
分かりやすく愛が欲しいの。
欲張りだから、私。
耳に残る、泣き声も。
脳内に刻まれた、泣き顔も。
きっと、一生忘れない。
だけどもう。
あなたを好きになる事なんてない。
愛するなんて無理なんだ。
ただ、私の歴史の1ページ。
そっと記憶に残っていて。
面白い人だと、残っていて。



