「あそこ座ろっか?」


優衣にそう問いかけると、コクンと頷いた。


階段に腰掛け、買ってきたものを横に置く。





でも何気に手は繋いだまま。
少し遠くから賑やかな祭りばやしが響いている。
それが余計にこの沈黙を際立たせているかのようだ。





手を繋いでから、なぜか余裕が出てきた俺は優衣の顔を見れるようになってきたってのに。

今度は優衣が喋らなくなってきた。

どうしようかなー。
ってか、このままだとタコ焼き冷めるな。
そしてカキ氷もとける。


それは分かってんだけど。でも…


「あ…あのー佑太?」

「ん?」

「手…離さないと買ってきたの食べれない…よ?」

「んー。じゃあ離す?…優衣が嫌なら離すよ、でも俺はこのままがいいなーって。」

「えっ!??え…ぇっと…あの……嫌…じゃないかも」