5センチ。




 クソッ!アイツら、いちいち煩い。


 本を持つ手に力が入る。


 苛立たせながら、屋上に向かった。


 ーーバンッ!


 勢いよく開けた扉。


 ブワッと風が吹いて髪は乱れる。


 フェンスの所に向かって腰をおろした。


 持っていた本を置き、カチャッと音を立てながら眼鏡を外した。