「ねぇ住谷君。話があるんだけど。」 そう言って甘い声と鼻に付く香水。 顔を上げるとそこには、クラスのマドンナ的存在の女が立っている。 「深沢さん、何?」 素っ気なく答える俺。 「あのね、いつも一緒に登校している女の子って住谷君の彼女?」 そう聞いてくる深沢に“別に…”と答えて本に目を向けた。