5センチ。




 「住谷先輩!」



 名前を呼ばれて俺の心臓がドキッと跳ねた。


 この声…この呼び方ー…。


 俺の鼓動は早くなる。


 早くなる鼓動を抑えながら振り向いた。


 そこには、こっちに向かって走って来る陽菜ーー。



 「陽菜ちゃん。どうしたの?」



 俺は平静と装いながらそう聞いた。