あたしは震える足取りでバスルームへ向かった。 洗面台にはお揃いの歯ブラシ。見覚えのない女物の化粧品。 ピカピカに磨かれたバスタブ。 充実したバスグッズ達。 キッチンも綺麗に掃除されていて、食器棚の中は新婚家庭を思わせるような可愛らしい食器が並べられていた。 まだ生活感の漂う夫の部屋。 あたしは自分の夫の部屋なのに、他人の部屋に勝手に入り込んでしまったようだった。