数日後、あたしは夫のマンションの片付けの為に一人新幹線に乗っていた。
見慣れない流れる景色を車窓から眺めていると、あたしは夫の赴任先に数えるほどしか訪ねていないことに気付いた。
自分の仕事や子供達の学校や塾のこともあって、日帰りで行くには距離がありすぎる遠い見知らぬ土地へなかなか足を向けられなかったのも事実だ。
夫も仕事で何時に帰れるか解らないけど身の回りの事は自分で出来るし、仕事や子供達を休ませてまでこっちに無理して来なくても俺が帰れば済むことだからと言ってくれていた。
夫のそんな言葉に甘えてばかりいたあたしは…
許されない恋に溺れていたのだ。

