夜遅くにあたし達は、夫が収容された病院に着いた。 病室に向かうと、夫の会社の支店長と同僚の方がいて、あたし達に深々と頭を下げた。 夫が横たわるベッド。顔には白い布が被されていた。 これが…賢人なの? あたしは静かにその布を取る。 そこには眠るような表情の賢人が… どうして? 何でなの? 賢人…起きてよ。 夫にしがみつき泣き叫ぶ寛人。 肩を振るわせて涙を流す暁人。 夫の同僚も支店長も泣いている。 あぁ… 夫は… 賢人は… 死んでしまったんだ…