「ゆう…泣いてるの?」
振り向くとバスローブを纏った成瀬さんが立っていた。
「あ……」
彼はバスローブのまま、シャワーと涙で濡れたあたしを抱きしめた。彼のバスローブは熱いシャワーとあたしの涙でみるみる濡れていく。
「…後悔してるのか?」
あたしは泣きじゃくったまま、首を縦にも横にも降れないでいた。
彼の力強い腕の中で、どんな答えを言ったらいいのかわからず…
一つだけ言えるのは、この腕の中が心地好いってことだけ。
浄化したつもりの気持ちが、また熱を帯びてくる…
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