ある日、知らないアドレスからメールが届いた。


開いてみると…



成瀬さんからだった。



『ゆう、元気ですか?』




たった一言だけのメール。



…どう返せばいいのよ。


あたしはそのメールをすぐ削除した。


だって…



『ゆう』って…



忘れようとしてたのに、気持ちに蓋をしていたのに、そんな呼び方しないでよ…


あなただけが呼ぶあたしの呼び名。


あの夜、ゆうと囁きながらあたしを慈しむようにしてくれた甘いキスを…



思い出しちゃうじゃない。



もう…忘れさせて。