「結ぃ 今日は早いねぇ」
昨日はよく眠れなかった…何度も目を覚まして時計を見ていた…

「…うん」 

「じぁ ひとみデートだから行ってくるねぇ⌒」

「あっそうかぁ―頑張って!」


案の定ひとみは力也とお台場デートの約束をしていた…
私は、今日の翔太郎との約束をひとみに話せずにいた。
改まって話すこともないと思っていたし…
ひとみに話せば翔太郎の彼女に知られてしまうかもしれないと言う不安があったから…


「うん… 結…?」

「何?どうしたん?」

「いいや!なんでもない」
ひとみは少し寂しそうな顔をしたように感じた。


「ん?ひとみ早くせんと遅れるよ」


「うん! 結がんば!」


ひとみはにっこり笑った…
私はひとみが寮から出て行くのを見送り、手早く着替えた…


翔太郎が待ち合わせの寮の前に着いたは10時5分前だった。黒のジャケットをお洒落に着こなして…

翔太郎が待ち合わせの場所に着いたのを確認して、私は階段を掛け降りた。

出口で息を整え姿見で、もう一度全身をチェックして寮を出た…


「おはよう!」

「おはよう!」

「昨日は眠れたか?」

「もぅ 爆睡!!」

私は笑ってそう答えた…
緊張して眠れなかった…なんて言えるわけがないから…


「じぁ―行こうか!」

ゆっくりと二人は駅へ向かって歩きだした…