Never say good-bye

振り返るとあのときの男性が立っていた。


「……。」


言葉が出ない。


「ねぇ。どうして連絡くれなかったの?」


「……。」


また黙り込んでしまった。

「ちょっとここ出よう。話したいことあるから。」


彼に腕を引っ張られ、されるがままあたしは、図書館を後にした。


図書館のすぐ側に、聖母公園という所がある。ここには聖母マリア像がある。ここで愛を誓った2人は永遠に結ばれるという言い伝えがあった。


「あの何ですか?」


「率直に言うね。僕はあなたが好きです。この前初めて会ったとき、普通の女性とは違った所にひかれて、君からの連絡ずっと待ってたんだ。」


これって告白だよね。


すごいことだよね。


「ごめんなさい。あたしなんかじゃ駄目だよ。あたし暗いし、影薄いし、地味だし。それに…。」


「いいよ。そんなことは気にしない。それに誰にだって秘密くらいある。」


「でも。」


あたしが目を反らした瞬間彼の唇があたしの唇とかさなった。


どれくらい時間が経ったか分からない。