Never say good-bye

処置室の扉が開いた。


「咲季は?」


先生が口を開いた。

どんな言葉が出るのか胸が張り裂けそうな位、緊張した。


「咲季ちゃんは一命をとりとめました。ただ、脳に障害が残る可能性が、高いです。それは意識が戻ってみないと解りません。咲季ちゃんはICUに入ります。」

奥に沢山の管に繋がれた咲季がいた。


生きている。



ただそれだけで嬉しい。



ICUの硝子張りの窓から眺めた。眠っている咲季の姿はまるで、眠り姫の様に美しかった。