Never say good-bye

今日1日で、沢山のことがあった。

思い出すと笑みが溢れる。
あたしを助けてくれた男性
初めて接した異性の人。

なんだか、汗と洗剤の匂いがした。

これが男性の匂い。

大きくて少し冷たかった手
これが男性の手。


あの人の全てを一生懸命思い出していた。


あの人がくれたメモを、毎晩見るのが、日課になっていた。






あの人と出逢ってから1ヶ月。テストも終わり、また何もすることがなく、図書館へ行った。


いつもと同じ席に座る。


この席はあたしのお気に入り。


高い壁の上でいつも猫たちが日向ぼっこをし、時には喧嘩をする。

この席は誰にも渡せない。
いつしか、あたしが来ると席を空けてくれるまでになった。


あたしが心を開けるのは図書館でお気に入りの

『星の王子様』

を読んでいるとき。

とっても不思議で、でもロマンチックで何回読んでも飽きない。


なぜか『星の王子様』を読んでいると1人で微笑んでいるらしく、母にその姿をよく笑われていた。


「おっ!それ星の王子様?僕も好きなんだ♪」

後ろからどこかで聞いたことのある声が聞こえた。