今までで一番幸せな時間。

ゆっくり刻まれる時間。


ずっと、いつまでも2人で居られる時間。




大翔が高校を卒業した4月。あたしは、高校2年生。大翔は、大学の医学部1年生になっていた。


勉強が前よりずっと難しくなって、忙しくなっている。なんとか時間を作り毎日会う。


ある時あたしはこう聞いた。


「大翔のお父さんとお母さんは、あたしと付き合ってること知ってるの?」


「知らない。ってか言ってない。」


「ねぇ?どうして家族のこと話さないの?
大翔って一人っ子?
両親はどんな仕事してるの?」