気がついた時もう深夜0時をまわっていた。

この時間になって大翔との約束を、思い出した。


いろんな気持ちが交差した。でも、約束を守れなかったことだけは謝りたかった。


―プルルル、プルルル―

「はい?」

「大翔?」

「咲季?」

「今日はごめんなさい。約束すっぽかしたりして。」

なんて言われるかドキドキした。

「どうかしたか?」

「うん。いろいろあって」
「まさか…襲われたのか?」

図星。

「どうして?」

「悲しい声してる。咲季はそんな声じゃないから。」


当たっている。体の震えが止まらない。


「うっっ…。」


涙を一生懸命こらえた。


「ごめんな…。涙拭いてやれなくて。」

「なんで?大翔が謝るの?」

余計涙が止まらなくなった。

「だって、もし俺が咲季の学校ともう少し近かったら学校に迎えに行けたらこんなことにはならなかっただろ?」

「怖かった。怖くて大翔の名前何回も呼んだ………。会いたいよ。」

「咲季。俺は咲季を想ってない日なんて1日もない。いつも想ってる。学校は遠くても、ずっと想ってる。咲季はなんかいつも俺に気を使いすぎてた。気なんて使う必要なんてない。愛してるんだから。」