カナちゃんネタをきっかけに、それからも話は大盛り上がり。
「しかしさ、高校時代に寛行があのコとつき合っていたとはね。初耳だワ、俺」
「っていうか――カナ先輩のこと、母さんが知ってたなんて初耳なんだけど、僕」
「そりゃだって、当時は知らないフリしててあげたもの。理解ある母でしょー?」
「恩着せがましい……」
「だあなぁ。“理解ある母”とか自分で言っちゃうあたりどうかと思うね、俺も」
「あんたらねぇ、まさか私がエロ本の隠し場所を知らなかったとでも思ってんの!」
「なっ……!」
「げっ……!」
「ったく、母の慈悲に感謝なさいっての」
「……」
「……」
決まり悪そうに小さくなるお兄さんと寛行さん。
そして、そんな二人にさらに追い討ちをかけるようなキツイ台詞が突き刺さる。
「パパもヒロユキもカッコわるぅー」
光ちゃんの冷ややかな視線に、ますます小さく肩をすぼめる情けない男たち。
それを慰めるように、望クンが二人の肩をポンポン叩く。
お父さんがやれやれと少し呆れて、だけど愉快そうに小さく笑う。
滑稽でほのぼのとした家族団らんの風景。
その様子に、お母さんとお姉さんと私は三人で目を合わせて笑いあったのだった。



