准教授 高野先生の結婚


お部屋に戻ると、飲み物や取り皿の支度ができていて“お料理待ち”の状態だった。

そして、寛行さんはというと――

「ごめん、急に電話がきちゃって……」

「うんん、大丈夫。電話って?仕事の?」

彼の場合、休みの日にまで仕事の電話がかかってくるのは珍しいけど……???

「いや、弟から。披露宴の後は二次会無いからすぐこっちに来るって言うんだよ」

「そうなの???」

「うん。でさ、夕方前には必ず行くから絶対それまで帰るなよって釘刺された」

なんと、それはそれは……。

結局のところ、高野家の皆さんは本日全員集合されるらしい。

だけど――

「弟さん夫婦にもお目にかかれるなんてラッキーだね、私。楽しみだなぁ」

今はもうちっとも怖くないし、ぜんぜん気重なんかじゃなかった。

だって、私は――

「ほらほらほら、しーちゃんも寛行も早く座って。冷めないうちに食べましょ」

「家内もわたしも一押しの旨い店の寿司もあるから。さあ、しーちゃんも食べて食べて」

「ハイ、いただきます!」

“寛行さんの奥さんになる人”として――

“これから家族になる人”として――

こんなにも温かく迎え入れてもらえたのだから。