准教授 高野先生の結婚


『サザエさん』を見ながら一緒に食べる日曜日の晩ご飯。

いつもと同じ二人の定番の過ごし方、なのに……今日はやっぱり気分が違う。

それは、彼のお誕生日だから(正確にはその前夜だけど)というのもあるけれど、

やっぱり、食事中の会話の話題が話題だからに違いなかった。

「籍はいつ頃入れようか?」

「はぇ?」

やや驚いて、その拍子に箸で摘んだ“から揚げ”が再び皿へぽとりと落ちる。

「ほら、君のご両親にお願いに伺う前に、一応おおまかなことは考えておかないと」

「そ、そっか。そうだよね、うん……」

なんて――

私は、ややぎこちない動作で皿からさっきのから揚げを摘み上げて口へと運んだ。

本当のところ私はもっと暢気に、というか、あんまり考えてなかったかも……。

まずはお互いの両親に挨拶とお願いをしてお許しをいただいてからなのかな?と。

でも、よくよく考えてみれば寛行さんの言うとおり。

両親の了解を得たところで具体的な計画を何も考えてないんじゃ話は一時停止。

ノープランでは“無計画すぎ!”と呆れられて、心配されてしまうかも……。

無論、“だって結婚するのなんて初めてだもん”なーんてことは言い訳にはなるまい。

何しろ彼とて初婚なわけで、結局のところやっぱり私が世間知らずの子どもなのだ。